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猫のSFTSは命に関わる感染症!1年を通したマダニ予防がおすすめ

「最近SFTSが話題だけどなんのこと?」
「うちの猫は一歩も外に出ないけど予防は必要?」
「大阪でもSFTSは発生している?」
最近注目されているSFTSですが、このような疑問をもつ飼い主さまも多いのではないでしょうか。
今回は動物だけでなく人にも感染するSFTSという感染症や予防法について解説していきます。
ぜひ最後までお読みいただき猫の予防に役立ててください。

木の椅子でくつろぐ猫

SFTSとは

SFTSは日本国内では2012年頃に初めて感染が報告された、比較的新しい感染症です。
SFTSとは、重症熱性血小板減少症候群のことで、SFTSウイルスをマダニが媒介して感染します。

SFTSに感染したらどうなる?

猫がSFTSに感染したら以下のような症状がみられることがあります。
 ・発熱
 ・食欲不振
 ・嘔吐
 ・出血傾向
 ・黄疸
 ・意識障害


犬と比べて猫では重症化しやすいと考えられていて、SFTSを発症した猫のうち60%ほどは亡くなっています

SFTSは治療をしても助からないこともある危険な感染症なため、予防が重要です。
人に感染した場合も、猫と同じような症状がみられると言われています。
SFTSはとくに高齢者で重症化しやすく、重症化すると死に繋がります。
人での致死率は20%ほどで、非常に危険な感染症です。

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SFTSはマダニから感染する

猫のSFTSは、ウイルスをもったマダニに咬まれることで感染します。
マダニは主に草むらなどに生息しています。
山間部にとくに多いとされていますが、都市部でも公園や河川敷・住宅街の庭などで見つかっているため油断はできません。


感染した猫や犬から飼い主さまに感染することもあります。

また、マダニに咬まれることでSFTS以外の病気になる可能性もあるため注意しましょう。

大阪でSFTSは発生している?

大阪では人や猫などからSFTSの発生が認められています。
人では2017年からこれまでに大阪で8例の報告があります。
猫では、発熱などの症状がみられた猫からSFTSウイルスが検出されたり、体調不良の猫に咬まれた人がSFTSに感染し死亡した事例などが、大阪で発生している状況です。
SFTSは西日本での報告が多く、大阪でも上記のような報告があります。
全国的にも報告数が増えてきているため注意が必要です。

猫がSFTSにならないように予防はできる?

草むらで座り込む黒白のハチワレ猫

猫のSFTSの予防には以下のようなことがあります。
 ・完全室内飼いにする
 ・マダニに対する予防薬を使う
 ・外に出る猫は帰ってきたら身体をチェックする


SFTSは致死率が高いにも関わらず、治療には特効薬やワクチンなどがなく対症療法が中心です。

初期症状に気づかず、気づいた頃には重症化していたというケースもあるでしょう。
そのため、猫がSFTSに感染しないよう予防することが重要です。

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完全室内飼いにする

外に出る猫はマダニに噛まれる可能性が高まります
ベランダなどにマダニがいることもあるので、ベランダにも出さない方が良いです。
ただし完全室内飼いの猫でも、外から人や同居犬を経由したマダニに噛まれるリスクもゼロではないです。
しっかり予防するのであれば、室内飼いの猫でもマダニの予防薬を使うことをおすすめします。


マダニに対する予防

猫のSFTS予防にはマダニの予防薬も有効です。
マダニは1年を通じて活動していますが、とくに暖かい4〜10月頃に活発に活動しています。
外に出ない完全室内飼いの猫でも、人や同居犬にマダニがくっついて室内に持ち込まれることもあり、予防薬を使うことがおすすめです。
真冬でも活動するマダニもいるため1年を通した予防が理想的です。


マダニの予防薬には首に垂らすものや食べさせるものなどさまざまな種類があります。

ただし、予防薬と言ってもマダニが咬んだ後に駆除するものが大半です。
SFTSウイルスがマダニの駆除より先に猫に感染してしまうこともあり、100%SFTSを予防できるというわけではありません。
マダニに接触しない生活環境を保ったうえで、予防薬も使うと安心です。


外に出る猫は帰ってきたら身体をチェックする

どうしても外に出てしまう猫は、帰ってきたらマダニが付着していないか身体をチェックしましょう。
マダニは猫の身体についてもすぐに咬みつくわけではありません。
しばらく身体を歩き回っているため、ブラッシングなどでマダニが取れることがあります。


ただし、すでに咬みついたマダニは無理に取らないようにしましょう。

マダニの頭だけが残ってしまい炎症やしこりが残ることがあります。
マダニのお腹を押すと、マダニの体液が皮膚から入ってくる可能性もあり危険です。
猫にマダニが咬みついているときは、無理に取らずに一度動物病院で診てもらいましょう

よくある質問(FAQ)

Q.マダニと普通のダニは何が違う?普通のダニからもSFTSはうつる?
A.よく布団やカーペットにいるとされているダニはSFTSを媒介しません。
ダニは肉眼では見えないほど小さいですが、マダニの身体は大きく、3〜10mmほどで肉眼で確認できます。
マダニは吸血することでさらに身体が大きくなります。

 

Q.猫にマダニがくっついている。手で取っていい?
A.猫の身体を歩き回っている状態であればブラシなどで取ってあげて良いです。
ただし、猫がマダニに咬みつかれている状態であれば手で取らないようにしましょう。
頭だけが残って炎症が起きたり、マダニの身体が潰れてマダニの体液が猫の体内に注入される可能性があります。
無理に取ることはせず、早めに動物病院へ連れて行きましょう。

 

Q.猫の予防薬について、マダニはいつまでが予防期間ですか?
A.猫のマダニ予防は1年を通した予防が理想的です。
マダニはとくに4月〜10月頃に活動が活発になりますが、室内の断熱化の向上や温暖化などにより冬でも活動していることもあります。
マダニの種類によっては冬でも活動するマダニもいるので、通年予防がおすすめです。

 

まとめ

SFTSは重症熱性血小板減少症候群のことで、マダニが媒介します。
人にも感染する人獣共通感染症で、人での致死率は20%です。
猫では60%が死に至る危険な感染症にも関わらず、特効薬などはないため予防が非常に重要です。
マダニが活発なのは暖かい時期ですが、室内の断熱性の向上や温暖化などで、冬でも活動しやすくなってきています。
そのため、猫のマダニ予防は1年を通した予防が理想的です。
猫のマダニ予防などでお悩みの際はお気軽にご相談ください。

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大阪市城東区鶴見区の動物病院
城東鶴見どうぶつ病院

 

この記事の監修獣医師
院長 脇谷俊佑
獣医師SW

麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
大阪市内動物病院 勤務
城東鶴見どうぶつ病院 開院
近畿動物医療研修センター 画像科研究生
獣医教育・先端技術研究所(IVEAT)腹部超音波検査研修 修了
日本獣医がん学会 所属

 

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コラム 予防ワクチン

犬のレプトスピラ症は大阪でも発生してる?レプトスピラの予防や対策について解説

「レプトスピラは大阪で発生があるの?」
「犬の混合ワクチンに含まれるレプトスピラって危険な感染症なの?」
「犬がレプトスピラにかからないためにはどうすればいい?」

レプトスピラ症という感染症について、上記のような疑問をもつ飼い主さまは多いです。
今回は犬のレプトスピラ症について解説します。
とくに、大阪での発生などについても解説するため、ぜひ今後の予防に役立ててください。

川の中で立っているジャックラッセルテリア

レプトスピラとは?

レプトスピラとは、ネズミなどの野生動物を媒介して犬に感染する細菌です。
犬がレプトスピラに感染すると、急性腎障害・肝障害などが起こり、死に繋がることがあります。
レプトスピラ症が疑われるときは早急に治療を受けることが重要ということですね。
しかも、レプトスピラは人にも感染する人獣共通感染症(Zoonosis)でもあります。
人にも感染し、重症化すると命に関わることがあります。
レプトスピラ症は飼い主さまや動物病院スタッフにも感染する可能性のあるため、動物病院ではとても警戒される感染症です。


レプトスピラは、レプトスピラに感染しているネズミなど野生動物の尿中に排出され、水や土壌などの環境中で数ヶ月間感染源となります

これらの感染源が、傷ついた皮膚や口などの粘膜に触れることで犬に感染します。
感染した犬が無症状でもレプトスピラを保菌し尿から排出、感染拡大に繋がることもあるでしょう。

山など自然が多い場所によく行ったり、他の犬と触れ合うことがよくある犬ではとくに注意が必要な感染症ですね。

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大阪では犬がレプトスピラに感染する可能性がある?

大阪でのレプトスピラの感染リスクは高いです。
都市部にいても、散歩コースでよくある河川敷や公園にもネズミは生息しています。
また、台風や集中豪雨による冠水で汚染された水や土壌から感染するリスクもあります。

実際に大阪でも、2017年に9頭の死亡例を含む11頭のレプトスピラ疑いの集団発生報告がありました。
死亡した9頭のうち8頭が同じ河川敷を散歩コースにしていて、同じ経路で感染した可能性が考えられています。
とくに以下のような場所に注意が必要ですね。


 ・河川敷
 ・公園の水たまりや池
 ・雨上がりの側溝
 ・草むら・しげみ
 ・繁華街の路地裏


雨の日が多い梅雨や台風シーズンは感染リスクも高まりますので注意しましょう。


世界中で発生しているレプトスピラ症ですが、日本国内では関東以西でみられることが多いです。

犬がレプトスピラ症と判断されたら動物病院から保健所に報告する必要があるほど、レプトスピラ症は病性の強い危険な感染症です。
全国での報告は毎年30例ほどになりますが、それ以外にも診断に至らなかった例や報告されていない例なども含めれば、実際の数はもっと多いと考えられます。
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レプトスピラに対する予防や対策は?

レプトスピラに対する予防や対策としては以下のようなことがあります。
 ・ワクチンを接種する
 ・散歩コースを見直す
 ・感染疑いのある犬とは接触しない


レプトスピラは重症化すると命に関わります

犬の身体に負担がかかるだけでなく、治療にも時間がかかり費用の負担も大きく、感染予防が大切なポイントになります。

キャンプに行ってテントの前で眠る犬


ワクチンを接種する


レプトスピラは7種以上の混合ワクチンに含まれています。

7種以上の混合ワクチンは、1年に1回の接種が推奨です。
定期的に接種することでリスク回避に繋がります。
キャンプに行く予定のある犬や、水遊びが好きな犬は必ず接種しましょう。


ただし、レプトスピラには250種類以上もの血清型があります。

犬に病原性があるのはそのうち8〜10種類ほどと考えられています。
現在流通しているワクチンでは、4種類の型が含まれているものが最大です。
病原性のある全ての血清型を網羅できる混合ワクチンはありません


散歩コースを見直す


犬の散歩コースに、ネズミが生息していそうな場所が含まれているのであれば避けることも大切です。

河川敷や草が生い茂っている場所などはむやみに近づかない方が良いでしょう。
また、台風や雨上がり後の散歩では犬が水たまりに入って行かないよう注意が必要です。


感染疑いのある犬とは接触しない


レプトスピラ症は犬同士での感染リスクもあります。

多頭飼いの場合は感染犬を隔離し、排泄物の処理はグローブをつけて行うなど人側での対策も必要です。


ドッグランなどでも、無症状で尿からレプトスピラを排出してしまっている犬がいる可能性もあります。

よく他の犬と接触する機会がある場合は注意が必要です。
混合ワクチンをしっかり接種するなど、自衛のためにできる対策は行いましょう。

よくある質問(FAQ)

Q.レプトスピラの混合ワクチンを打てば、犬は絶対に感染しない?
A.絶対とは言い切れません。
免疫が十分でない場合や、その地域で流行している血清型が混合ワクチンに含まれていない場合、ワクチン接種をしていてもレプトスピラに感染することもあります。
ただ、混合ワクチンに含まれる血清型と感染した血清型の交差反応により、軽症で済む可能性もありますので、混合ワクチンの接種は重要です。

 

Q.都市部に住んでいても犬の7種以上の混合ワクチンは必要?
A.必要な場合があります。
都市部でも繁華街など、ネズミが生息している場所はあります。
また、散歩のコースに河川敷や公園などが含まれていたり、一緒にキャンプに行ったりする場合はレプトスピラの予防も必要です。

 

Q.犬とキャンプや川遊びに行く予定です。混合ワクチンはいつまでに接種したらいい?
A.ワクチンの接種から十分な免疫ができるまでに2週間ほどかかります。
少なくとも予定日から2〜3週間前には接種を完了させておきましょう。
山や川などネズミの生息地ではレプトスピラに感染するリスクが高く、7種以上のレプトスピラが入っている混合ワクチンがおすすめです。
レプトスピラを含むワクチンは効果が1年も保たないので、1年に1回しっかり接種しましょう。

 

まとめ

レプトスピラ症はネズミなどの野生動物の尿で汚染された水や土壌などから感染しやすい感染症です。
犬だけでなく、人にも感染することがあります。
犬も人も治療が遅れると重症化し、命に関わるため、感染予防が重要です。
大阪では犬がレプトスピラに集団感染した例があります。
都市部でもネズミの生息域では注意が必要です。
以下の場所は感染が起こりやすいため、ワクチン接種や散歩コースの見直しなどしっかり対策しておきましょう。
 ・河川敷
 ・公園の水たまりや池
 ・雨上がりの側溝
 ・草むら・しげみ
 ・繁華街の路地裏

犬の混合ワクチンなど予防でお悩みの際はお気軽にご相談ください。

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大阪市城東区鶴見区の動物病院

城東鶴見どうぶつ病院

 

 

この記事の監修獣医師
院長 脇谷俊佑
獣医師SW

麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
大阪市内動物病院 勤務
城東鶴見どうぶつ病院 開院
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獣医教育・先端技術研究所(IVEAT)腹部超音波検査研修 修了
日本獣医がん学会 所属

 

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コラム 予防ワクチン

抗体価検査をしたら犬のワクチンは打たなくて良い?抗体価検査の注意点などについて解説

「犬の混合ワクチンは毎年打たないとダメ?」
「犬のワクチンアレルギーが心配」
「抗体価検査をしたら混合ワクチンは打たなくていい?」
このように犬の混合ワクチンに疑問をもつ方は多いのではないでしょうか。
今回は犬のワクチン抗体価について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、混合ワクチンについて悩んでいるときの参考にしてください。

注射器を見つめるヨーキー

犬の混合ワクチン

当院には以下の3種類の混合ワクチンがあります。

当院に置いてある犬用混合ワクチンの種類一覧

簡単に言うと、コアワクチンは全ての犬で必要なのに対して、ノンコアワクチンは生活スタイルや地域性によって必要性が異なるワクチンです。
コアワクチンで予防できるのは命に関わるような病気のため、全ての犬で必要なワクチンです。
一方でノンコアワクチンには重症化しない病気も含まれています。


上記以外にも、7種〜9種のワクチンを置いてある動物病院もありますが、含まれるレプトスピラの型の多さによる違いだけなので今回は省略します。

抗体価検査とは

抗体価検査とは、犬の身体にどのくらい病気に対する免疫(抗体)が残っているのかを測定する検査です。
通常ワクチンを接種すると身体のなかで、病原体に対抗する抗体ができます。
この抗体が病気を予防できるレベルに達しているかどうか、抗体価検査によって確認できます。


抗体価検査は今まで混合ワクチンによって副作用が出たことのある犬におすすめです。

結果によってはその年の混合ワクチンを受けなくて済みます。
しかし、とくに理由がなければ以下のような理由から基本的に混合ワクチンは年1回受けることをおすすめしています。


費用が高くなる可能性があるため

まず、抗体価検査自体は混合ワクチンの接種代金よりも高額なことがあります。
それに加えて抗体価検査の結果、混合ワクチン接種の必要があるとなればさらに費用がかかります。
ワクチンアレルギーなどの理由がなければ、最初から混合ワクチンを接種した方が費用が安く済む可能性があるでしょう。
抗体価検査を受ければ必ず混合ワクチンの接種が不要、というわけではないので注意が必要です。


WSAVAという組織では3年に1回のワクチン接種が推奨されていますが、犬にも個体差があります。

混合ワクチンが有効な期間も犬によって異なり、抗体価検査の結果1年に1回ワクチン接種が必要になる犬もいます


証明書の提示が必要な場合があるため

ホテルやトリミングサロン、ドッグランでは証明書の提示が必要なことが多いです。
当院では抗体価検査の提示だけでホテル・トリミングの利用が可能ですが、そうではないケースもあるでしょう。
抗体価検査のみでサービスを利用できるのかどうかは施設によって異なります。
利用する施設のポリシーなどを事前に確認する必要があります。


レプトスピラのワクチンは
必ず1年に1回打つ必要があるため

レプトスピラに関してはワクチンの効果が1年もたないと言われています。
レプトスピラを含む7種以上の混合ワクチンを接種している場合は毎年1回混合ワクチンを忘れずに接種しましょう。

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抗体価検査の注意点

抗体価検査では全てのウイルスが検査できるわけではありません
抗体価検査で測定できるウイルスはコアワクチンである以下の3つです。
 ・ジステンパーウイルス
 ・パルボウイルス
 ・アデノウイルス


上記3種類のウイルスそれぞれに対して、抗体価が高いのか低いのかという結果がわかります。

抗体価が高ければ免疫がしっかり残っているということで、低ければ特定の病気に対する免疫が下がっているのでワクチンを打つ必要がある、ということです。


しかし、コアワクチンの抗体価が高くて混合ワクチンを打たないことにすると、ノンコアワクチンは予防できません

現状では犬用のノンコアワクチンのみの製品はないため、ノンコアワクチンの部分もしっかり予防したいなら通常通りワクチンを接種した方が良いです。

ワクチンを打った方が良い場合・
打たなくて良い場合

ワクチン

抗体価検査の結果、抗体価が低ければワクチンを打つ必要があります。
一方で身体に免疫がしっかりある、という結果であればワクチンは打たなくて良いことになります。


ワクチンを打たなくて良い場合

3つ全ての抗体価が高い場合は、病気に対する免疫があるという判断でその年はワクチンを見送ることができます。
抗体価検査の結果、ワクチン接種を見送ることがおすすめなのは以下のような犬です。
 ・ワクチン後に重篤な副作用が出た犬
 ・ワクチン接種のリスクが高いと判断された基礎疾患のある犬・高齢犬
 ・感染リスクがほぼない生活をしている犬


ただし、以下の点に注意が必要です。

 


免疫の持続期間は不明

ワクチンを打たない選択をした場合、コアワクチンの抗体はその時点でしっかりあるという解釈になります。
しかし、どのタイミングで免疫が低下するかはわかりません
翌年同じ時期に再度抗体価検査を受けるか、ワクチンを接種するか選ぶことになります。


ノンコアワクチンの部分は未検査

ノンコアワクチンの部分は、抗体価を調べる検査が現状ありません。
そのため感染するリスクがあることに注意が必要です。
ワクチンの副作用と感染リスクを天秤にかけてよく検討しましょう。

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ワクチンを打った方が良い場合

検査で調べた3つの感染症のうち、1つでも抗体価が低く出ていれば混合ワクチンを接種しましょう。
理想的なのは、抗体価の低い感染症だけをピンポイントで予防できるワクチンを打つことです。
しかし、現在国内で主に使用されているワクチンは、複数の種類のウイルスを予防できる混合ワクチンです。
そのため、抗体価の低いものだけを予防するのは多くの場合難しいでしょう。


副作用などの既往歴があるのに
ワクチン接種が必要な結果がでたら?

以前混合ワクチンによって副作用が出たことがあるのに、抗体価検査でワクチン接種が必要な結果が出ることもあるでしょう。
その場合は獣医師としっかり相談して、以下の対策などをしましょう。


 ・ワクチンの種類を変更する:10種などの多価ワクチンから5種のワクチンなどに変更する
 ・前投与を行う:抗ヒスタミン薬やステロイドを投与してから混合ワクチンを接種する
 ・メーカーを変更する:別の製薬会社の混合ワクチンを試してみる

よくある質問(FAQ)

Q.犬の抗体価検査は健康診断と一緒にうけられる?
A.うけられます。
抗体価検査は血液が検体として必要になります。
健康診断で血液検査がある場合、まとめて採血ができるため犬への負担も少なくおすすめです。

 

Q.子犬も抗体価検査をうけていい?
A.おすすめできません。
子犬の時期は確実に免疫を獲得するため、抗体価検査でワクチンを打たないことを検討するよりもワクチンプログラムに従ってしっかりワクチンをうけることがおすすめです。
特別な理由がなければ通常通りワクチンをうけましょう。
抗体価検査は基本的に成犬になってから犬の状態によって検討されます。

 

Q.犬のワクチンは毎年打たないとだめ?
A.理由によっては打たなくて良い場合もありますが、基本的に1年に1回の接種をおすすめします。
とくにレプトスピラが入っているワクチンは1年以上効果が持続しないとされているため7種以上の混合ワクチンは必ず毎年接種しましょう。
ホテルやドッグランなどでワクチンの証明書が必要な場合など、1年以内の接種歴が必要なシーンは多々あります。
ワクチンアレルギーがある場合などは抗体価検査を活用し、その年のワクチンは打たない選択肢もあります。
ただし、抗体価検査は全てのウイルスに対しての検査ではないため注意が必要です。

 

まとめ

犬のワクチンの抗体価検査は便利な検査ですが、注意点もあります。
全てのウイルスを網羅している完璧な検査ではないため、ワクチンの副作用と感染リスクを含めてよく考えるようにしましょう。
ワクチン接種は犬の状態によってさまざまな選択肢があります。
それぞれの犬に合ったオーダーメイドのプランを獣医師と一緒に考えることが大切です。
ワクチン接種や抗体価検査でお悩みの際はお気軽にご相談ください。

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コラム 予防ワクチン

大阪でフィラリアの予防薬は1年中あげても良い?通年予防で得られるメリット

「フィラリアの予防薬は1年中あげても問題ない?」
「蚊を見なくなったらフィラリア予防はやめていい?」
「フィラリアの予防は冬の間もやった方がいいの?」
フィラリアの予防薬についてこのような疑問をもつ方も多いのではないでしょうか。
今回はフィラリアの通年予防について解説します。
ぜひ最後まで読んでいただき、犬の予防の参考にしてください。

蚊取り線香を見つめる柴犬

フィラリア症とは?

フィラリア症とは蚊を媒介して寄生する犬糸状虫による感染症です。
フィラリアは蚊の中で育つ寄生虫です。
蚊が犬を吸血することでフィラリアの幼虫が感染します。
感染初期は無症状ですが、犬の体内で成長したフィラリアが心臓や肺動脈で成虫になり増殖すると、命に関わることがあります。


感染が進行すると以下のような症状がみられ、置すると死に繋がることもあります。

 ・咳
 ・呼吸困難
 ・体重減少
 ・失神

フィラリアは成虫になると駆除は困難なため予防が重要です。

フィラリアは予防が重要

フィラリア症に感染すると犬の命に関わる可能性があり、治療にも時間がかかります。
こうした理由から、犬がフィラリア症に感染しないための予防が重要です。


予防薬はノミやダニ・その他の寄生虫の予防も合わせてできるオールインワンタイプや、フィラリア単体の予防が目的のものなどさまざまなものがあります。

犬の生活スタイルや投薬のしやすさなどを考えて予防薬を選びましょう。

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大阪での蚊の活動時期・フィラリア予防期間は?

実はフィラリアの薬は予防薬というよりも駆虫薬です。
蚊から犬の体内に侵入したフィラリアの幼虫が成虫になる前に駆除するための薬です。
フィラリアの薬は幼虫に有効なため、感染してから成虫になる1〜2ヶ月までに薬で駆除する必要があります。
そのため蚊が活動し始める1ヶ月後から薬を始めて、蚊が見られなくなってから1ヶ月後までは薬をあげる必要があります
蚊は15℃以上で吸血活動をすると言われています。
大阪で平均気温が15℃を超えるのは、3月末頃から11月頃までです。
上記のことから大阪ではフィラリアの薬は4月末から12月頃まで続けることがおすすめです。

フィラリア予防は通年予防がおすすめ

フィラリアの予防期間は蚊が飛んでいる季節だけではありません。
最近では気候変動の影響で蚊の活動期間が長くなっています。
そこでおすすめなのが米国糸状虫学会推奨の、1年間毎月フィラリアの薬をあげ続ける通年予防です。

草原で伏せをするボーダーコリー


通年予防のメリット

通年予防として、1年中毎月フィラリアの薬をあげることには以下のようなメリットがあります。


季節による予防薬の使い分けが不要になる

フィラリア以外の寄生虫にも対応のオールインワン予防薬を使用すれば、あげ忘れもなく誰でも簡単に予防ができます
とくにノミ・マダニは1年中活動できるため、通年予防がおすすめです。
季節による予防薬の使い分けを負担に感じる方でも、オールインワンの予防薬を通年で続けると負担が少なく済みます。


フィラリア検査を省略できることがある

予防シーズンのみ予防薬をあげている場合は、春に薬をあげ始める前にフィラリアに感染していないか確認が必要です。
フィラリアに感染しているのに薬をあげてしまうと大量のフィラリアが犬の体内で駆除され、血管に詰まったり心停止するリスクがあります。


しかし、通年予防で毎月確実に薬を飲めるのであれば検査は基本的に不要です。
飲ませ忘れが発生したり、犬が薬を吐いてしまった可能性があるなど、心配事があれば検査をおすすめします。


暖かい地域への旅行も安心

暖かい地域では1年中フィラリアに感染する可能性があります
国内でも沖縄では1年中蚊が活動します。
冬でも暖かい地域に行く予定がある場合などは、通年予防が安心です。


動物病院が混む時期に行かなくても良くなる

毎年春は予防シーズンの開始時期として動物病院は非常に混み合います。
通年予防だとフィラリアの薬をまとめ買いすることで、混んでいる時期に動物病院に行かなくて済みます。

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通年予防のデメリットはある?

通年予防にすることでコストが高くなる可能性がある、というデメリットがあります。
購入する予防薬が増えるため費用の心配をされる方はいるでしょう。


ただ、動物病院によっては予防薬のまとめ買い割引が効いたり、フィラリア検査代などがかからないなどのメリットもあります。

また、冬でもノミ・マダニは予防する必要があり、そちらの予防薬代も加味すると実際の差は意外と少ないかもしれません。
コスト面が不安であれば費用も含めて動物病院に相談してみることをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q.フィラリアのシーズンのみの予防から通年予防に切り替えるときに、フィラリア検査は必要?
A.一度フィラリア検査を終え、すでにフィラリアの予防中で、予防薬を中断せずにそのまま通年予防に移行するのであれば、途中で再度検査をする必要はありません。
しかし、絶対に不要というわけではなく、飲ませ忘れが発生したり、犬が薬を吐いている可能性があるなど心配事があるなら検査をおすすめします。
また、冬の間に予防を中断している場合は再開前のフィラリア検査が必須です。

 

Q.室内飼いの犬でもフィラリアの通年予防は必要?
A.必要です。
室内飼いでも部屋のなかに蚊が入ってきます。
外にいる犬よりも蚊との接触は少ないかもしれませんが、1回刺されただけでフィラリアに感染することもあります。
最近は住宅の断熱作用が高く、冬でも屋内で活動できる蚊もいるため、通年予防がおすすめです。

 

Q.昨年のフィラリア予防薬が残っているので飲ませてもいい?
A.動物病院でフィラリア検査をしたうえで、期限が切れていなければ飲ませても良いです。
昨年分の薬が残っているということは、昨年飲み忘れた月があり感染の可能性があります。
フィラリアに感染した状態で予防薬を飲ませるとショックが起こり命に関わる可能性があります。
しっかりフィラリア検査をしてから薬をあげましょう。

 

まとめ

フィラリアとは、蚊を媒介してうつる感染症です。
大阪ではフィラリア予防のシーズンとして4月〜12月に予防している方は多いですが、通年予防もおすすめです。
デメリットも一部ありますが、メリットも多くあるため動物病院と相談のうえ検討してみることをおすすめします。
フィラリアの予防についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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狂犬病の予防接種はなぜ必須?犬と人を守るための狂犬病予防

「狂犬病の予防接種はなぜ義務なの?」
「人にも狂犬病ウイルスは感染する?」
「狂犬病に感染しても治る?」


こういった疑問や不安を持たれている方も多いのではないでしょうか。
「今まで病院や役所から言われてなんとなく狂犬病の予防をしているけど狂犬病についてはよく知らない」という方もいるかもしれません。


ぜひ最後までお読みいただき、狂犬病の恐ろしさと予防の重要性について理解していただければと思います。

注射を打たれるヨーキー

狂犬病とは

狂犬病は人を含む全ての哺乳類に感染し得る、致死率100%の恐ろしい感染症です。
狂犬病には以下のような特徴があります。

 ・有効な治療法がない
 ・発症すれば犬も人もほぼ100%死亡する
 ・人では潜伏期間が1〜3ヶ月と長い
 ・発症するまで感染しているか検査する方法がない

このような特徴があるため、犬や人を守るためにも狂犬病は予防が重要です。

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日本での発生はあるの?

過去、日本でも狂犬病が発生していました。
1950年に狂犬病予防法ができてから、国内の狂犬病の発生は減っていきました。
現在、狂犬病に感染したという報告は数十年間ありません。

日本で発生がないならワクチンは打たなくて良い?

日本では狂犬病の発生がないからと言って予防をしなくて良い訳ではありません


たしかに上記のように現在日本は狂犬病の発生がない清浄国で、感染するリスクは低いでしょう。
しかし、ほとんどの国で清浄化されていないことや、海外旅行先で感染し日本へ帰国後死亡した例も報告されていることからも分かるように、日本国内に狂犬病ウイルスが持ち込まれ流行する可能性は十分にあります。


またWHOは、狂犬病が侵入した場合に蔓延しないために、どの程度の犬が狂犬病の免疫を持っていることが望ましいかという率を、すべての犬の70%としています。
現在行政に登録済の犬における日本国内の接種率は約70%です。
しかし、行政に登録していない犬も加味すると、接種率は50%以下になるとも考えられています。
現在の接種率のままだと、万が一狂犬病ウイルスが侵入したときに日本国内で蔓延する可能性があるでしょう。
もしものときに備えて、狂犬病の予防は毎年欠かさないことが重要です。

よくある質問(FAQ)

 

Q.室内飼いの犬でも狂犬病の注射を受けないとダメですか?
A.室内飼いの犬でも狂犬病ワクチンは接種しなければなりません。
どんな飼育環境でも狂犬病のワクチンは法律で義務づけられていて、違反すると罰金が発生することもあります。
トリミング・ホテル・ドッグラン・動物病院など他の犬と接触する機会がある場合、狂犬病の接種を確認されることも多いです。
安全のためにも1年に1回確実に接種しましょう。

 

Q.狂犬病ワクチンの副作用はある?
A.狂犬病ワクチンで副作用が出ることもありますが、発生率はかなり低く100万頭に数頭ほどと言われています。
これは混合ワクチンの5分の1ほどの発生率しかありません。
しかし、完全に0頭ではないため狂犬病ワクチンを接種した日はなるべく安静にして様子を見ましょう。

 

Q.狂犬病のワクチンはいつ受ければいい?
A.4月〜6月頃の接種が一般的です。
毎年4月〜6月が狂犬病予防月間で、集合注射などが行われるのもこの時期です。
犬が生まれた月によってはこの期間外に接種していることもあると思いますが、1年に1回接種すれば問題になることはありません。

ただ、4月〜6月に接種していないと接種月を少しずつずらしていき、フィラリア予防などとまとめて春に受診できるよう調整する方も多いです。

 

まとめ

狂犬病は発症したら治療法がなく、犬も人もほぼ100%死亡する恐ろしい感染症です。
現在、日本は狂犬病の発生がない状態を維持している清浄国ですが、ほとんどの国では清浄化に成功しておらず、いつ日本国内で発生してもおかしくない状況です。


万が一狂犬病ウイルスが日本国内に侵入してきても被害を最小限に抑えられるよう、狂犬病のワクチンを受けさせてあげましょう。
狂犬病の予防についてお困りのときはお気軽にご相談ください。

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この記事の監修獣医師
院長 脇谷俊佑
獣医師SW

麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
大阪市内動物病院 勤務
城東鶴見どうぶつ病院 開院
近畿動物医療研修センター 画像科研究生
獣医教育・先端技術研究所(IVEAT)腹部超音波検査研修 修了
日本獣医がん学会 所属

 

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