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犬にとって誤って食べたカロナールは危険|犬がカロナールを食べたら命に関わることも

「カロナールを犬が誤って食べたけど、少量なので様子を見ていても大丈夫?」
「犬が熱っぽかったのでカロナールをあげてみたけど問題なかった?」
「犬がカロナールを食べたけど元気なので動物病院に連れて行く必要はない?」

もし犬がカロナールを食べたときに、食べた量が少なかったり、いつも通り元気そうだったりしたら、様子を見ても良いのか悩みますよね。


しかし、カロナールは犬にとって命に関わることもある危険なものです。

今回は犬がカロナールを食べるとなぜ危険なのか、起こり得る症状などについて解説します。
万が一に備えられるよう、ぜひ最後までお読みください。

眠るトイプードル

カロナールとは?

カロナールの有効成分はアセトアミノフェンで、解熱・鎮痛作用のある薬です。


脳にある体温調節を担う部分に働きかけ、身体の外に熱を逃がして熱を下げます。

発熱や痛みの情報を伝える物質を抑えて、頭痛や生理痛・関節痛など様々な痛みを和らげてくれる薬です。

犬にとってカロナールはなぜ危険?

カロナールの有効成分であるアセトアミノフェンは、人に比べて犬では代謝する能力が低く、分解・排泄されにくい成分です。
代謝の過程で有害な成分に変化し、蓄積されることで重篤な症状につながります。

犬がカロナールを食べたらどんな症状が出る?

犬がカロナールを食べたときの症状は食べた量や経過時間、犬の体調などによっても異なりますが、以下のような症状が出てくると考えられます。

 ・過剰なよだれ
 ・嘔吐
 ・顔面の腫脹
 ・血尿
 ・元気消失
 ・貧血

症状はカロナールを犬が食べたあと、数時間後に出てくることもあります。
誤食後すぐに症状が出てこなかったとしても安心はできません

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犬はどのくらいの量のカロナールを食べると危険?

一般的にアセトアミノフェンの犬での中毒量は1kgあたり150〜200mgと言われています。


しかしカロナールのなかでも、どのくらい有効成分が入っているかは商品によってそれぞれです。

年齢や持病など犬の状態によっては、ほんの少ししか食べていなくても症状が出てしまう場合もあります


少量でも口にしたり、食べた確証がなくても可能性があるのであれば、すぐに動物病院へ連絡してください。


症状が出ていても適切な処置がされず、時間が経ってしまうと亡くなってしまう場合もあります。

日頃から犬が誤食しないように気をつけましょう。


カロナールの周りのアルミ包装を一緒に食べてしまうことも危険です。

消化管を傷つけたり、どこかで詰まって命に関わる可能性もあります。
開けにくいケースに入れたり、棚の高いところに保管したりするようにしましょう。

犬が誤ってカロナールを食べたら何をすればいい?

床で伏せをするマルチーズ

犬がカロナールを食べたときは動物病院へ連絡しましょう。
そのときは以下のようなこともあわせて伝えてください。

 ・どのくらいの量を食べたのか
 ・食べてからどのくらい時間が経っているのか
 ・包装も一緒に食べたのか
 ・犬の現在の状態はどうか(元気はあるのか、いつもと違う様子はないかなど)


カロナールは商品によって含まれているアセトアミノフェンの量が異なります。

治療の参考になるのでパッケージも手元にあれば一緒に持っていきましょう


動物病院ではどんな処置をする?

犬がカロナールを食べたときには、以下の処置が必要に応じて選択されていきます。

 ・全身状態の安定化
 ・催吐
 ・胃洗浄
 ・点滴
 ・有害成分の吸収防止や症状軽減のための投薬

どの処置が必要なのかは犬の状態などから判断されます。
無理に自宅で吐かせようとすると、誤嚥が起こる可能性もありかえって危険です。
まずは病院へ連絡して指示を仰ぐようにしましょう。

まとめ

犬にとって「カロナールを食べた」という事態は非常に危険です。
家族でも認識を共有し、日頃から犬の口に入らないように生活環境をしっかり整えておいてください。
誤って口にしたとしてもまずは落ち着いて動物病院へ連絡してください。
病院が休診日なこともありますので、緊急時に行ける病院もチェックしておくことをおすすめします。


大阪市城東区鶴見区の動物病院
城東鶴見どうぶつ病院

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犬がロキソニンを食べた|誤って犬がロキソニンを食べた時の症状や対処法について解説

「誤って床に落としたロキソニンを犬が食べそうで心配」
「犬が痛そうなのでロキソニンをあげたけど様子がおかしい」
「ロキソニンを犬が食べたけどどんな症状が出るの?」


こんなお悩みを持たれている犬の飼い主さまもいらっしゃるのではないでしょうか?

この記事ではロキソニンを犬が誤って食べたときに副作用として出てくる症状や対処法などについて解説していきます。

白い錠剤

ロキソニンとは?

ロキソニンは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一種で人用の薬です。
有効成分はロキソプロフェンナトリウムで、主に以下のような効果があります。

 ・鎮痛
 ・抗炎症
 ・解熱


この中でとくに鎮痛作用が強いことが特徴の薬です。

NSAIDsとは、炎症や痛み・発熱のもとになるプロスタグランジンが体内で生成されるのを抑えます。


ロキソニンは市販薬で、誰でも手に入れやすい薬です。

しかしロキソニンは人用の薬なので、犬などの動物では用法・用量などが明確ではありません


動物病院には犬用のNSAIDsがあります。

人用のロキソニンを犬に使うことは避けた方が良いでしょう。

ロキソニンを犬が食べたらどんな副作用が出てくる?

私たちが普段何気なく使っているロキソニンは犬にとって有害になることがあります。
食べた量や時間経過などによっても変わってきますが、以下のような症状が出てくる可能性が高いです。


消化器症状


犬がロキソニンを食べてしまうと胃粘膜保護の作用がある酵素を阻害するため、胃が荒れることがあります。

胃炎や胃潰瘍が起こると以下のような症状が出てきます。

 ・嘔吐
 ・下痢
 ・血便
 ・食欲不振
 ・腹痛


腎障害


犬がロキソニンを食べた場合、腎臓への血流量が減り、腎不全になる可能性があります

腎不全になると、以下のような症状もみられます。

 ・食欲不振
 ・嘔吐
 ・多尿または乏尿・無尿

場合によっては重度の腎不全に陥り、亡くなってしまう犬もいます。
腎機能が弱っている犬ではとくに注意が必要です。


肝障害


肝臓に負担がかかり、肝障害につながる場合があります。肝障害の程度によっても症状は様々です。

 ・食欲不振
 ・嘔吐
 ・下痢

上記の症状以外にも重度になると、黄疸(白目や歯茎などの粘膜が黄色くなる)や、神経症状が出てくることもあります。


中毒症状


犬にロキソニンを大量に与えたり日常的に服用させたりしている場合、中毒症状が出る可能性が高いです。症状としては

 ・昏睡
 ・痙攣
 ・呼吸困難

などがみられます。

 

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ロキソニンを犬が食べたときの対処法は?

犬が誤ってロキソニンを食べたときは、落ち着いて動物病院へ連絡しましょう。
仮に食べたという確証がなくても、可能性があるなら動物病院へ指示を仰ぐことをおすすめします。


動物病院への連絡のときは以下を伝えるとスムーズな治療につながります。

 ・犬の年齢や体重、既往歴など基礎情報
 ・食べた薬の量
 ・食べた時間
 ・薬が入っている包装ごと食べたのか
 ・現在のペットの状態(元気はあるのか、中毒症状が出ているのかなど)


痙攣など、明らかにいつもと違う様子が見られたときは動画に残しておき、診察時に獣医師に見せても良いでしょう。

動物病院へ連れて行くことになった場合、手元にあれば食べた薬と同じものやパッケージ・処方箋なども持参することをおすすめします。


自宅でできる処置はある?

寝そべるパグ

 

犬が誤ってロキソニンを食べたときに、自宅で安全に処置することは非常に難しいです。
動物病院では必要に応じて以下のような処置が選択されていきます。

 ・吐かせる
 ・胃洗浄
 ・点滴


犬がロキソニンを食べたときに必要な処置の判断や、安全な処置のために、まずは動物病院へ連絡することが大切です。


犬がロキソニンを食べたときには焦ってしまうかもしれませんが、自宅で無理に吐かせないようにしましょう。誤嚥の可能性が高く危険です。

とくにアルミの包装ごと食べている場合は吐くときに食道を傷つける可能性もあります。


自身の判断で無理に吐かせるのは避け、まずは動物病院に判断を仰ぎましょう。

誤って犬がロキソニンを食べないようにするためには?

犬が誤ってロキソニンを食べないようにするためには、日頃から生活環境を整えることが大切です。


ロキソニンなどの薬自体はなるべく犬が届かないところに保管しましょう。
棚の高いところに置いたり、ケースに入れたりするなどの工夫をしても良いでしょう。

飼い主さまが薬を飲もうとする時に落としてしまうと、そのまま犬が食べてしまう場合もあります。万が一に備えて離れた場所で内服することをおすすめします。


上記のようなことは一緒に暮らす家族にも共有しておきましょう。

まとめ

ロキソニンは人用の薬であり、犬にとっては有害になることがあります。
誤って食べた際にはなるべく早く動物病院へ連絡しましょう。


そもそも犬がロキソニンを食べないことが一番の対策になります。

どこか痛そうだからといって自己判断でロキソニンを与えたり、盗み食いされたりしないようにしましょう。
犬にとってロキソニンが危ないという認識を、家族間で共有することも大切です。


当院では犬が誤ってロキソニンを食べたときの対応も可能です。

ロキソニンを犬が食べたり、いつもと様子が違ったりするなど、お困りの際はお気軽にご相談ください。


大阪市城東区鶴見区の動物病院
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犬がバファリンを食べた|犬にとってバファリンは危険?食べた時の症状などを解説

「犬がバファリンを食べたかもしれない」
「バファリンには種類が色々あるけど犬が食べたらダメなのはどれ?」
「犬がバファリンを舐めただけだけど、動物病院に行く必要はあるの?」
犬が誤ってバファリンを食べたとき、いつもと変わらない元気な様子だったら動物病院に行くべきか悩みますよね。

しかし、バファリンは犬にとって少量でも危険な状態になり得る成分を含んでいます。
今回は犬が誤ってバファリンを食べたときに出てくる症状などについて解説していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、万が一に備えましょう。

寝そべっているフレンチブルドッグ


バファリンの有効成分

バファリンには様々な種類があり、含まれる有効成分も種類によって異なります。
しかし、どの有効成分も犬にとっては危険なものです。
犬がバファリンを食べたときに出る症状を、各有効成分ごとに解説していきます。


アスピリン

アスピリンが含まれるバファリンはバファリンAのみです。
アスピリンは古くからよく使われている成分で、解熱鎮痛作用があります。


しかし犬にとっては危険で、以下のような症状が出る可能性があります。

 ・嘔吐
 ・高体温
 ・黒色便
 ・内出血
 ・痙攣

嘔吐や食欲不振などの消化器症状は数時間後に現れることもあります。


少量しか食べていなくても、血液が固まるのを抑えるという作用が出てしまいます。

血液が固まりにくくなるため、内出血ができたり、消化管から出血すると便が黒くなることもあるでしょう。


慢性的に摂取している場合には消化管潰瘍や消化管出血に繋がり、大量に摂取すると痙攣などの神経症状が出てきます。

イブプロフェン

イブプロフェンが含まれるバファリンは以下になります。

 ・バファリンルナi
 ・バファリンプレミアム
 ・バファリンプレミアムDX

イブプロフェンはアスピリンよりも鎮痛作用が強く、消化器への負担も少ないことから人用の解熱鎮痛剤として幅広く使用されています。


しかし、イブプロフェンは犬にとって危険な成分です。

犬がイブプロフェンを含む薬を食べたときには以下のような症状が見られます。

 ・悪心
 ・黄疸
 ・多尿または乏尿・無尿
 ・痙攣
 ・昏睡


食べた量によっては、嘔吐や下痢・食欲不振などの消化器以外にも腎臓や肝臓に負担がかかることもあります。

持病のある犬はとくに注意が必要です。


腎臓に負担がかかると異常に尿量が増えたり、逆に尿が減ったりします。
肝臓に過剰に負担がかかると、白目や歯茎などの粘膜が黄色くなる黄疸という症状が出てくることもあります。


アセトアミノフェン

アセトアミノフェンが含まれるバファリンは以下になります。

 ・小児用バファリンチュアブル
 ・小児用バファリンCⅡ
 ・バファリンルナJ
 ・バファリンルナi
 ・バファリンプレミアム
 ・バファリンプレミアムDX

アセトアミノフェンは人にとっては比較的安全な成分とされていますが、犬にとっては非常に危険な成分です。


アセトアミノフェンを含む薬を犬が食べたら、以下のような症状が見られます。

 ・過剰なよだれ
 ・顔面の腫脹
 ・血尿
 ・呼吸困難
 ・チアノーゼ


嘔吐や下痢などの消化器症状以外にも、赤血球が破壊される溶血性貧血の症状が見られることがあります。

酸素がうまく運搬できずに呼吸が苦しくなったり、歯茎が白くなったりするチアノーゼなどの症状が見られます。

バファリンを誤って犬が食べたときの対処法は?

目をつぶるマルチーズ

犬がバファリンを食べたときは、どの種類でも動物病院へ連絡して指示を仰ぎましょう。


動物病院では以下のような処置が必要によって選択されます。

 ・全身状態の安定化
 ・催吐
 ・胃洗浄
 ・点滴
 ・有害成分の吸収防止や症状軽減のための投薬

これらの処置は犬の状態を見ながら選択されていきます。


薬の周りの包装も食べている場合は食道が傷つくこともあります。
自宅で無理に吐かせようとすると、誤嚥の可能性もありかえって危険です。
食べてすぐに症状が出てこなかったり、食べた確証が得られなくても可能性があるなら一度動物病院へ連絡しましょう。


そのときは以下も一緒に伝えると、治療の参考になるのでおすすめです。

 ・食べたバファリンの量
 ・食べたバファリンの種類
 ・バファリンを食べた時間
 ・現在の犬の状態(元気なのか、何か症状はあるのかなど)

動物病院へ連れて行くときには薬のパッケージも合わせて持っていくと良いでしょう。

まとめ

バファリンには様々な種類がありますが、どの有効成分も犬にとって危険なものです。
バファリンは犬にとって危険なもの、という認識を家族間でも共有しておきましょう。
誤って犬がバファリンを食べないよう日頃の生活から気をつけることをおすすめします。


バファリンを少量しか食べていなくても、犬の状態によっては中毒症状が出てくることがあります。
食べてすぐは症状が出てこなくても、数時間後に発症する可能性もあるため注意が必要です。


バファリンを犬が食べて調子が悪そうなど、お困りの際はお気軽にご相談ください。


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