犬がロキソニンを食べた|誤って犬がロキソニンを食べた時の症状や対処法について解説
「誤って床に落としたロキソニンを犬が食べそうで心配」
「犬が痛そうなのでロキソニンをあげたけど様子がおかしい」
「ロキソニンを犬が食べたけどどんな症状が出るの?」
こんなお悩みを持たれている犬の飼い主さまもいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事ではロキソニンを犬が誤って食べたときに副作用として出てくる症状や対処法などについて解説していきます。
ロキソニンとは?
ロキソニンは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一種で人用の薬です。
有効成分はロキソプロフェンナトリウムで、主に以下のような効果があります。
・鎮痛
・抗炎症
・解熱
この中でとくに鎮痛作用が強いことが特徴の薬です。
NSAIDsとは、炎症や痛み・発熱のもとになるプロスタグランジンが体内で生成されるのを抑えます。
ロキソニンは市販薬で、誰でも手に入れやすい薬です。
しかしロキソニンは人用の薬なので、犬などの動物では用法・用量などが明確ではありません。
動物病院には犬用のNSAIDsがあります。
人用のロキソニンを犬に使うことは避けた方が良いでしょう。
ロキソニンを犬が食べたらどんな副作用が出てくる?
私たちが普段何気なく使っているロキソニンは犬にとって有害になることがあります。
食べた量や時間経過などによっても変わってきますが、以下のような症状が出てくる可能性が高いです。
消化器症状
犬がロキソニンを食べてしまうと胃粘膜保護の作用がある酵素を阻害するため、胃が荒れることがあります。
胃炎や胃潰瘍が起こると以下のような症状が出てきます。
・嘔吐
・下痢
・血便
・食欲不振
・腹痛
腎障害
犬がロキソニンを食べた場合、腎臓への血流量が減り、腎不全になる可能性があります。
腎不全になると、以下のような症状もみられます。
・食欲不振
・嘔吐
・多尿または乏尿・無尿
場合によっては重度の腎不全に陥り、亡くなってしまう犬もいます。
腎機能が弱っている犬ではとくに注意が必要です。
肝障害
肝臓に負担がかかり、肝障害につながる場合があります。肝障害の程度によっても症状は様々です。
・食欲不振
・嘔吐
・下痢
上記の症状以外にも重度になると、黄疸(白目や歯茎などの粘膜が黄色くなる)や、神経症状が出てくることもあります。
中毒症状
犬にロキソニンを大量に与えたり日常的に服用させたりしている場合、中毒症状が出る可能性が高いです。症状としては
・昏睡
・痙攣
・呼吸困難
などがみられます。
ロキソニンを犬が食べたときの対処法は?
犬が誤ってロキソニンを食べたときは、落ち着いて動物病院へ連絡しましょう。
仮に食べたという確証がなくても、可能性があるなら動物病院へ指示を仰ぐことをおすすめします。
動物病院への連絡のときは以下を伝えるとスムーズな治療につながります。
・犬の年齢や体重、既往歴など基礎情報
・食べた薬の量
・食べた時間
・薬が入っている包装ごと食べたのか
・現在のペットの状態(元気はあるのか、中毒症状が出ているのかなど)
痙攣など、明らかにいつもと違う様子が見られたときは動画に残しておき、診察時に獣医師に見せても良いでしょう。
動物病院へ連れて行くことになった場合、手元にあれば食べた薬と同じものやパッケージ・処方箋なども持参することをおすすめします。
自宅でできる処置はある?
犬が誤ってロキソニンを食べたときに、自宅で安全に処置することは非常に難しいです。
動物病院では必要に応じて以下のような処置が選択されていきます。
・吐かせる
・胃洗浄
・点滴
犬がロキソニンを食べたときに必要な処置の判断や、安全な処置のために、まずは動物病院へ連絡することが大切です。
犬がロキソニンを食べたときには焦ってしまうかもしれませんが、自宅で無理に吐かせないようにしましょう。誤嚥の可能性が高く危険です。
とくにアルミの包装ごと食べている場合は吐くときに食道を傷つける可能性もあります。
自身の判断で無理に吐かせるのは避け、まずは動物病院に判断を仰ぎましょう。
誤って犬がロキソニンを食べないようにするためには?
犬が誤ってロキソニンを食べないようにするためには、日頃から生活環境を整えることが大切です。
ロキソニンなどの薬自体はなるべく犬が届かないところに保管しましょう。
棚の高いところに置いたり、ケースに入れたりするなどの工夫をしても良いでしょう。
飼い主さまが薬を飲もうとする時に落としてしまうと、そのまま犬が食べてしまう場合もあります。万が一に備えて離れた場所で内服することをおすすめします。
上記のようなことは一緒に暮らす家族にも共有しておきましょう。
まとめ
ロキソニンは人用の薬であり、犬にとっては有害になることがあります。
誤って食べた際にはなるべく早く動物病院へ連絡しましょう。
そもそも犬がロキソニンを食べないことが一番の対策になります。
どこか痛そうだからといって自己判断でロキソニンを与えたり、盗み食いされたりしないようにしましょう。
犬にとってロキソニンが危ないという認識を、家族間で共有することも大切です。
当院では犬が誤ってロキソニンを食べたときの対応も可能です。
ロキソニンを犬が食べたり、いつもと様子が違ったりするなど、お困りの際はお気軽にご相談ください。
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